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ソース・プリンシプル理解の大前提【その9】ソースを”経営者(CEO)の役割”として捉えていない

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ソース・プリンシプル〜ソースを”経営者(CEO)の役割”として捉えていない〜

森の中にあるレストランの滝のそばで、真夏とは思えない、気持ちいい風に吹かれながら、ソース談義も楽しんでいました。

今回の対話は「誰もがソースである」というソースの大前提から派生した内容です。『Work with Source』著者のトム本人の想いをとても感じた内容でした。ソース・プリンシプルの転ばぬ先の杖的なものとして、活用してもらえたらです。

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史郎:「トム、書籍の中で、“誰もに備わっているソースである普遍的な素質”という趣旨の文で、トムは、“the universal capacity of all people to be sources”という表現をしているのだけど、ここで、“to become(~になる)”ではなく”to be(~である)”を選んだ理由は何だろう?

そして、” Be source(ソースである)” と “Become source(ソースになる)”との違いは何なのかな?」

トム:「まず、“be source(ソースである)”という言葉を選んだ理由は、そもそも、“誰もがソースである”ことは、明らかに真実であるからなんだ。とても小さなイニシアチブを見たら、このことを分かってもらえると思う。例えば、ランチタイムで、とてもお腹が減っているときに、わたし達は、自分のいのちのために、サンドイッチやヌードルを食べるというイニシアチブを選択するよね。これは、とても小さいことかもしれないけれど、確かに、イニシアチブをソースとして選択している状態なんだ」

史郎:「了解だよ。つまり、“誰もがソースである”ことは明らかであるから、“誰もがソースになる”ではなく、”誰もがソースである”と表現しているんだね」

トム:「そうなんだ」

史郎: 「ありがとう。次に、” Be source(ソースである)” と “Become source(ソースになる)”との違いは何なのかな?」

トム:「まず、“Become source(ソースになる)”とは、誰もがソースである(Be source)という大前提のもと、時に自分で、ランチの選択よりも大きなイニシアティブ(新しい会社、新しいプロジェクトやイベント等)のソースになったり、誰かのイニシアティブのスペシフィックソース(サブソース)になったりすると思うのだけど、その時のことを”Become source(ソースになる)”と捉えているよ。

つまり、たとえ、ランチの選択よりも大きなイニシアティブ(新しい会社、新しいプロジェクトやイベント等)のソースやスペシフィックソース(サブソース)としては、まだ準備ができていなかったとしても、それでも、“誰もがソースである(Be source)”ということは大前提なんだ」

史郎:「ありがとう。ただ、日本に特徴的なことかもしれませんが、いわゆる組織の文脈でソースを解釈すると、”誰もがソースである”ことよりは、“ソースになる or ソースの役割を担う(ソース役になる)”ことに焦点が当たることを感じています個人が埋没し、組織だけ残り、両極性が失われやすいのです。関心の大半が”この組織のソース役は誰か?”ということに向くバイアスが強いことを感じています。次の問いは、この認識から派生して生まれたものだよ。

史郎: 「トムはソースの役割/ソース役(Role of source)という言い方をするけど、“役割”という言葉の質感はどんな感じですか?

背景としては、“ソースプリンシプルは『個人』から生まれた考えで、『組織』という概念は採用していない“と前に言っていたけど、“役割”と聞くと、ティール組織やホラクラシー等の組織論が浮かんでくるため、良い悪いではなくて、一般の方が、”ソースという考え方はティール組織などの組織論に組み込まれている or 組み込んで良い考え方だ”と感じることが自然と生まれるだろうなと思っていたんだ。

上述した「ソースになる/ソース役になる」とも組み合わさり、従来の組織のレンズを付けたままで、いわゆる形式的な役割として、「ソースになる」という誤解を生みやすいかもしれないと感じているよ。それだと、トムが言う『新しいレンズを試してみる』や『Beyond organizational thinking(組織という考え方を超えていく)』を試してみることが、難しくなるのではと感じているよ」

トム:「なるほど、確かにそうだね。ティール組織やホラクラシー等に組み込まれて、誤用される危険性はあるね。ここで僕は、役割という言葉を”組織の役割”ではなく、”創造性を発揮する個人の自然な役割”という意味で使っているんだ。そのため、“経営者(CEO)の役割”というように、役職と紐づけて捉えてもいないんだ。あくまで、ソースを“個人の視点での自然な役割”として捉えているんだ。そこは留意して、実践してもらえたら嬉しい。史郎、フィードバックをありがとう」

史郎:「トム、了解だよ。クリアになりました」
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この対話の内容は、僕自身も留意していることで、「ティール組織、ホラクラシー、ソースプリンシプル(ソース原理)」は異なる人をソースとする、異なるイニシアティブであるため、しっかりとそれぞれのイニシアティブのクリエイティブフィールドを意識して、自分自身も活用することを大切にしています。

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