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経営の新潮流

LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプルの「はじめの一歩」

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執筆の背景と意図

皆さまは最近話題になっているソース・プリンシプルという考え方について、どのような印象をお持ちでしょうか?

実は、「提唱者のピーター・カーニック(以下、ピーター)や彼の欧州の同志(Peter Koenig System プラクティショナー。以下、PKSプラクティショナー*)が当たり前の土台としているソース・プリンシプルの大前提」については、欧州と日本の文化の違いから、日本に住む私達が知ることが難しい現状があることが分かってきました。

その大前提とは、そもそも、ピーターはソース・プリンシプルを「組織での仕事」に限定しているのではなく、仕事を内包する「LIFE(人生)」の視点で活用するということでした。

例えば、ソース・プリンシプルでは、バリューやビジョン、エネルギーフィールドという言葉が出てきますが、これらは文化を考慮して日本語で伝えると、「ライフバリュー(人生のバリュー)」、「ライフビジョン(人生のビジョン)」、「ライフエネルギーフィールド(人生のエネルギーフィールド)」ということになるということでした。

また、この「LIFE(人生)」の視点という大前提は欧州では当たり前の内容でもあるため、ピーターのPKSプラクティショナーであるトム・ニクソン(以下、トム)の書籍(2021年3月『Work with Source』(日本語版『すべては一人から始まる』(英治出版))、同じくPKSプラクティショナーのステファン・メルケルバッハ(2020年9月『A little red book about source』)の両氏の書籍にも明示されていない内容でもあります。

私は「ソース・プリンシプル&マネーワーク」の日本で初めてのPKSプラクティショナーとして活動を行い、ピーターやトムと長年プライベートでもご一緒している中で、この「LIFE(人生)」の視点という大前提の内容をリアルに感じてきました。

(このことは、2024年夏に予定しているピーター自身の書籍の出版を監訳者・翻訳メンバーとして進めていく上でも、不可欠な内容となっています)

ピーターやトムも来日して、イベント等で日本の人たちと触れ合う中で、次第に、そもそもの視点の違いへの認識を深めていきました。 このような背景から、ピーターやトムと話し、11月にLIFE(人生)に焦点を当てた以下のソース・プリンシプルのイベントが生まれました。お二人とも日本での必要性を理解し、意識的に伝えてくれました。

①「ピーターをお招きして、11/27(月)に㈲人事・労務 様が主催したイベント
②「トムをお招きして、11/11(土)にJUNKANだいこんが主催したイベント

※巻末からトムとイギリスから配信したイベント動画を見て頂けます(関係者の皆さま、厚く御礼申し上げます)。

このような流れを受けて、本記事では、日本初のPKSプラクティショナー&提唱者のピーター本の監訳者から見た要諦として、ピーター本の出版の前に、この大前提の内容である「LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプル」について、ピーターとトムの言葉と共にお伝えすることを意図しています。

ソース・プリンシプルのことを始めて聞く方は、本記事を読む前に以下の記事・動画から概要を学んで頂くことも可能です。

🍂ソース・プリンシプルまとめページ🍂
https://nol-blog.com/sourceprinciple_matome/

現在、日本はソース・プリンシプルの黎明期で、欧州での大前提の内容「LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプル」を踏まえて、2名のPKSプラクティショナー(吉原史郎、吉原優子)がピーターやトム達と共に活動をしています。

また、2022年春から、ピーターやトムと長きに渡り、継続的な探究実践を共にしている仲間として、「JUNKANだいこん**」の仲間達がいらっしゃる状況です。

読者の皆さまとも、本記事の内容をもとに、「LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプル」の暮らしや人生を通じての実践を共に続けて行ければと思っています。

さらに、実践を進める中で、日本でも欧州のように、真髄に迫り続ける探究の環境が生まれ、自然とPKSプラクティショナー達が集い、世界に土中の菌糸ネットワークのように繋がっていくことを願っています。

(私自身のソース・プリンシプルやティール組織の約8年の探究の旅路については、こちらの動画に纏めて頂いています)

🍂*PKSプラクティショナーとは🍂

ピーター・カーニックが提唱する「ソース・プリンシプル(ソースワーク)」と「マネーワーク」について、経験の長いPKSプラクティショナーから、The Done Process(完了プロセス)を受けることで、PKSプラクティショナーとして活動することが可能となります。PKSプラクティショナーについては、こちらのページをご参照下さい。

通常のライセンス契約とは異なるピーター独自の考えがしっかりと表現されていて、ソース・プリンシプル&マネーワークを実践する際にお役立て頂けるかと思います。

🐗本記事と同様の内容の動画はこちら↓になります。「JUNKANだいこん**」での動画ラジオ「探究こんにゃく」〜組織と個人と自然のあいだ〜(「探究こんにゃく」ソース:けいちょん)🐗

**「JUNKANだいこん」:日々の暮らしでの「じゅんかん(循環/いのちの流れ)」を土壌として、「オーガナイジング(Organizing)・経営」&「マネー&テクノロジー」について、実践探究をしている群れ。日本から始まり、ブライトン、ヨーロッパへと種が飛び芽吹いている。人類共通の楽しみや喜びを満喫している。

 

LIFE(人生)から生まれる ソース・プリンシプル

提唱者のピーター・カーニック自身が語る「LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプル」の「はじめの一歩」。この「はじめの一歩」を端的にお伝えすると、「LIFE(人生)」「I & 動的なCollective (わたし&動的な協同)」「組織という幻想」という3つのキーワードに収斂されていきます。

この3つのキーワードが、ソース・プリンシプルが組織経営の分野において独自性があることに加えて、広く、社会全体へと波及していく応用的な実践知であることを可能にしています。

「はじめの一歩」の3つのキーワードには、とても斬新な視点があり、じっくりと向き合うことが必要なテーマでもあります。特に、「組織という幻想」という視点は、探究しても、探究し過ぎることはないと言えるテーマではないでしょうか。

現在のわたし達の暮らしを支えて下さっている先人たちの努力と工夫に敬意を表しながら、次の世代に「誰もが人生のソースである」と身体で感じられる社会を繋いでいくために、ピーター・カーニックからの核心に迫る問いに、内なるパワーと共に向き合っていくことが、探究を愛するわたし達に今、求められていることであると考えています。

目次

⓪「プリンシプルの意味」

まずは、「ソース・プリンシプルを学ぶ際に、わたし達にどういう心構えや態度(アティテュード)が必要なのでしょうか?」

この問いについて、プリンシプルという英語の選択理由を知ることから明らかにしていければと思います。

「どうして、ピーターは、『ソース・プリンシプル』と名付けて、『ソース・セオリー』や『ソース・ナチュラルロー』と名付けなかったのでしょうか?」

日本語に訳される前の英語の選択理由を知ることで、ソース・プリンシプルというピーターの創作物を感謝をもって活用することが初めて可能となります。

上記のような、原書の言葉の選択理由を探究する思考態度は、広く翻訳書全般に対して持っておくことで、著者の源泉に触れる深さと頻度を高めることが出来ます。

参考ですが、ピーターの友人にも、ドイツ語の原書が英語に翻訳される際に、同様の思考態度を持ち、探究読書を進めている方達が多数いらっしゃいます。わたし達日本語圏においても、テクノロジーも活用して、読書をする際に、同様の思考態度を育むことが不可欠であると感じています。

まず、ソース・プリンシプルとは新たな実践的レンズです。

理論ではないことが大切です。つまり、仕事を含めた日々の暮らし、人生全体での活用を大切にしています。

次に、一般的に連想しやすいことではありますが、ソース・プリンシプルとは、自然の法則、自然の原理でもありません。自然の法則や自然の原理ではないため、依然として更新可能性があるものであり、独善的な態度で活用してはいけないということです。

唯一の正解や解釈を持つことで、わたし達に得られるものがあるかもしれませんが、一方で、異なる真実に対して、わたし達を鈍感にさせてしまう傾向もあります。これは人類の歴史を振り返ることで明らかになってくることでもあります。

つまり、ソース・プリンシプルの暮らしや人生を通じての継続的な習熟に加えて、同様に、異なる真実に対しても意識的であり、オープンである態度(アティテュード)がソース・プリンシプルを学ぶ際の準備段階として不可欠になります。ここにはピーター自身の生き方も反映されています。

それでは、このような態度(アティテュード)を土台にして、ソース・プリンシプルの「はじめの一歩」の ①「LIFE(人生)」についてお伝えしていきます。

①「LIFE(人生)」

ソース・プリンシプルと言う時に、よく耳にするのが、ソース・プリンシプルを「(組織での)仕事」という人生の一つの側面で捉えてしまうことです。

ソース・プリンシプルを学ぶ際には、まずは一旦、頭をリセットして、ソース・プリンシプルのはじめの一歩である「LIFE(人生)」に立ち返ることが不可欠です。ピーターが言う「誰もが自分の『人生』のソースである」という言葉に大切なことが詰まっています。

人生には「家族との暮らし、仕事、趣味など」様々な活動が含まれています。「誰もが自分の人生のソースである」という言葉には、「誰もが自分の人生というフィールド(場)を生きている」という意味が込められています。さらに、フィールド自体にそれぞれの人生のエネルギーが溢れているという想いから、フィールドのことを「エネルギーフィールド」と呼んでいます。

つまり、ソース・プリンシプルには、「誰もが人生という『エネルギーフィールド』を生きている」という人間観があり、そういうレンズで世界を見ています。

また、「LIFE(人生)」とはまさに、わたしの「いのち」そのものです。わたしが今、わたしの「いのち」として、直感的に感じ取っていることやインスピレーションを大切にして人生を生きている。そういう人生観がソース・プリンシプルの根幹にはあります。

それでは、「誰もが人生という『エネルギーフィールド』を生きている」と言う際の「エネルギーフィールド」とは、どういう質感のものなのでしょうか?

エネルギーフィールドとは?

「誰もが人生というエネルギーフィールドを生きている」

「エネルギーフィールド」とは、「まさに『いのち』そのものであり、常に動いている。そのため、固定的で厳格なものではない。穴が空いているようなもので、色々なものが行ったり来たりできるもの」とピーターは言います。

これを二次元で描写することは困難ではありますが、現時点では、下記のように、雲が動いているようなイメージで、人生のエネルギーフィールドを描写して、活用しています。わたしの人生のエネルギーフィールドの中に、様々な諸活動(家族、仕事、趣味など)が内包されています。

人生のエネルギーフィールドに内包されている諸活動

「わたしの人生のソースはわたし自身」となりますが、「わたしの人生に内包されている諸活動には、自分が始めた活動に加えて、他の人が始めた活動に共感や魅力を感じて、メンバーとして参加しているもの」があることも多いと思います。

例えば、日常でランチを食べるとき、「自分が決めて友達を誘ってランチに行く場合」も、「友達が自分を誘ってくれて、楽しそうだなと思って一緒にランチに行く場合」も両方あるかと思います。また、仕事場を選ぶ際にも、「自分が愛してやまないことに取り組むために始めた会社で働く場合」も、「誰かが始めた会社に魅力を感じて働く場合」も両方あるかと思います。

活動の複雑さに違いはありますが、これらはすべて、人生に内包されている諸活動となります。ピーターは、人生の諸活動には「日常のシンプルな活動(イニシアチブ)」から、「会社やプロジェクトを始める等の複雑な活動(イニシアチブ)」があり、広範囲に及んでいると考えています。

人生のソース同士、様々な諸活動を協同している

上記のスライドでは、例えば、グリーンの人の場合、グリーンの人の人生のエネルギーフィールドに内包されている諸活動の中で、「①グリーンの人自身が始めた活動に、他の人が共感や魅力を感じて、協同している場合(例:趣味)」もあれば、「②オレンジの人が始めた活動に、グリーンの人が共感や魅力を感じて、一人の協同メンバーとして活動している場合(例:仕事)」もあることが分かります。

尚、ソース・プリンシプルでは、「誰もが自分の人生のソースである」という大前提のもと、人生に内包されている「日常のシンプルな活動から会社やプロジェクトのような複雑な活動」などの諸活動をリスクを感じながらも、一歩を踏み出して始めた個人のことをソース・パーソン(ソース)と呼んでいます。

上記の場合、①の「趣味」という活動(イニシアチブ)の「ソース・パーソン」はグリーンの人。②の「仕事」という活動(イニシアチブ)の「ソース・パーソン」はオレンジの人となります。

また、②の「仕事」という活動(イニシアチブ)の場合のグリーンの人のように、ソース・パーソンであるオレンジの人が始めた活動に共感や魅力を感じて、協同している人達のことをサブソースと呼んでいます。

このように、わたし達は「自分がソースである人生」の中で、人生に含まれる諸活動を、時にソース・パーソンとして、時にサブソースとして活動していることが、ソース・プリンシプルのレンズから明らかになってきます。

「一人一人が人生のソースであること」をお互いに尊重し、互いの創作活動にリスペクトを表現しながら、共に協力して生きていくことが健全な状態であると考えています。ピーターはこの状態を「Interweavingな状態(織り混ざっている状態)」と呼んでいます。

「(組織での)仕事」への過集中が生む状態

しかし、もし、ソース・プリンシプルを活用する際に、「誰もが自分の人生のソースである」ことを見ないで、人生の諸活動の一つである「(組織での)仕事」に焦点が当たりすぎると、どういう状態が起きるでしょうか?

「(組織での)仕事」、つまり「組織や団体」に焦点が当たりすぎると、あくまで「組織や団体」のソース・パーソンに焦点があたっていきます。

すると、「組織や団体」のソース・パーソンの「仕事上での考えやビジョン(ワークビジョン)」が過剰に重視され、そもそも、「サブソースの人達が自分自身の人生のソースである」という大前提や「サブソース自身の人生のビジョン(ライフビジョン)を生きている」という視点が次第に薄まっていきます。

同時に、「組織や団体」のソース・パーソンの「考えやビジョン(ワークビジョン)」が絶対視されてしまい、ソース・パーソンもサブソースも共に健全なダウト(疑い)を持ちにくかったり、あるいは表現しにくくなるような独善的な環境が生まれてきます。

結果、ソース・パーソンに従属する存在としてサブソースが認知される状況が高まっていきます。これは、ソース・プリンシプルを活用しても、「(組織での)仕事」に焦点が当たりすぎると、いつの間にか、わたし達が慣れ親しんだ「経営者と従業員」という元の関係へと戻っていってしまうことを意味しています。わたし達が本当に願っている、愛してやまない環境へと立ち戻ることが必要ではないでしょうか。

このような状況認識のもと、次の問い「ソースはサブソースをどんな存在に見ているか?」に対するピーターやピーターの長年のPKSプラクティショナーの一人であるトムの考えに移っていければと思います。ソースプリンシプルの核心にいよいよ迫っていきます。

ソースはサブソースをどんな存在に見ているか?

ソース・プリンシプルを、これまでのマネジメント手法と同じように、「仕事」の側面だけで活用することで、「どういう事態が生まれてくるのでしょうか?」

ここでは、ピーターに加えて、ピーターの長年のPKSプラクティショナーの一人であるトムの言葉も引用しながら、お伝えしていきます。

「サブソースをソースのビジョンを実現するための道具」として見ていないか?
「サブソースをソースのお金や権威を維持するための道具」として見ていないか?

ピーターやトムは、ソース・プリンシプルを活用するわたし達にハッキリと警鐘を鳴らしてくれています。

続いて、「サブソースを仕事メンバーとしてだけ愛するということは、人として愛することに繋がっていない」、「仕事のためだけの人間ではない。人はもっと広い存在。人が備えているギフトを見逃してしまう」と伝えてくれています。

さらに、よく出てくる質問でもある「ソースはサブソースを、どのようにエンパワーメントすれば良いか?(力づければ良いか?)」という問いにもこのように答えています。

「ソースのビジョンをサブソースに理解させようと、サブソースをエンパワーメントが必要な存在として見ていないか?」

「誰もがすでに人生でアイデアを現実化する創造性のパワーを持っている。だから、サブソースがソースにエンパワーメントされる必要性がそもそもない

誰もが人生をソーシングしながら生きることが大切。会社のソースである私について来て欲しいということではない」(ソーシング:直観やインスピレーションなど、言葉を超えたものを受け取っている状態)

これまでに見てきた、「誰もが自分の人生のソースである」という大前提に根付いた考えであり、人生の諸活動の一つである「(組織での)仕事」への過集中から、「誰もが自分の人生のソースである」ことが見えなくなってしまっている状態へのピーターやトムからのアドバイスとなります。

また、次のメッセージはとても意義深いものではないでしょうか。

「多くの会社のソースは自分にサブソース達がついて来て欲しいと思っているが、サブソース達の人生にとって大切じゃなければ、ついて来る必要は無い

人生の旅の一部として共感する場合において、ソースと共に活動をしてくれたらいい

組織や団体のソース自身が、人生に内包される一つの活動であるはずの「(組織での)仕事」への過集中から、少し俯瞰的に自身のLIFE(人生)全体を眺めてみることが、必要となっているのではないでしょうか。

その結果、人生で本当に愛してやまないことを大切にして、仕事とも健全に繋がりなおすことが可能となってきます。ソース・プリンシプルはそのための新しいレンズとなります。

このように、ソース・プリンシプルを「LIFE(人生)」全体の視点から活用することが「はじめの一歩」として不可欠であることをお伝えしてきました。

もし、ソース・プリンシプルを活用してみて、何か不具合があるような場合、まずは、そもそもの視点が「LIFE(人生)」ではなく、「(組織での)仕事」に限定されていないか、確認をしてみてください。

次節は、「LIFE(人生)」としてソース・プリンシプルを活用することで生まれてくる②「 I & 動的なCollective(わたし & 動的な協同)」について学んでいければと思います。

②「 I & 動的なCollective(わたし & 動的な協同)」

ソース・プリンシプルでは「誰もが人生のソースである」という大前提があり、「わたし(I)」から生まれてくるエネルギーに焦点を当てながら、同時にそのエネルギーに魅力を感じた仲間達との「動的な協同(Dynamic Collective)」にも焦点が当たっています。決して、「わたし(I)」だけに焦点を当てている訳ではないことが大切なポイントです。また、単にCollective(協同)というだけではなく、動的性が伴うDynamic Collectiveということも重要です。

動的な協同が生まれてくる状態についても、いきなり集団になるわけではなく、一人一人、それぞれの人生のビジョン(ライフビジョン)と「わたし(I)」のライフビジョンに響き合うものがあり、活動の仲間が増えていくことに着眼しています。「わたし(I)」のライブビジョンへの尊重と共に、仲間達一人一人のライブビジョンへの尊重も同時に大切にすることが不可欠です。

ソース・プリンシプルでは、このような動的な協同状態を表現する際に、「オーガナイジング」という言葉を使っています。

これは、「オーガニゼーション(組織)」という名詞を使うと、「わたし(I)」のライフビジョンから生まれている動的なエネルギーが失われてしまうためです。

そのため、ピーターやトム、PKSプラクティショナーは、名詞の「オーガニゼーション(組織)」ではなく、動詞の「オーガナイジング(Organizing)」を使っています。

このことは、次節の「組織という幻想」へと繋がっていきます。「組織の何が幻想」なのでしょうか? それは、繰り返しになりますが、「組織(オーガニゼーション)」という言葉や概念には、「わたし(I)」のライフビジョンから生まれている動的なエネルギーが失われてしまうベクトルが内在していて、その「わたし(I)」のライフビジョンから生まれている動的なエネルギーが「組織」という概念の影に隠れてしまうためです。

つまり、組織という言葉や概念が、「わたし(I)」のライフビジョンから生まれている動的なエネルギーを隠してしまうため、ソース・プリンシプルでは、「組織という幻想」という視点を持っています。

ここでの探究の方向性としては、「組織という言葉や概念には何が隠れているのか?」となります。それでは、詳しく見ていければと思います。

③「組織という幻想」

組織という言葉や概念に隠れているものを探究する際には、以下のような問いから考えることが有効です。

「この組織は一体、誰のどのようなエネルギーから始まったのだろうか?」

「誰のどのようなエネルギーに魅力を感じて、わたし達は一緒に活動をしているのだろうか?」

この問いを探究していくと、自然と、この組織や団体を始めた「わたし(I)」のエネルギーに立ち返ることができます。また、そのエネルギーに魅力を感じた仲間達にとっても、自分自身の人生のビジョン(ライフビジョン)に想いを馳せる機会にもなります。

ソース・プリンシプルでは、「わたし(I)」のライフビジョンから生まれている動的なエネルギーが失われてしまう、名詞としての「オーガニゼーション(組織)」というよりは、動詞としての「オーガナイジング(Organizing)」を使用しています。ここにソース・プリンシプルの経営学における独自性があります。

実はオーガナイジング自体は難しいことではなく、「LIFE(人生)」という視点から、動的な協同活動に取り組むことで自然と発生しているものです。

オーガナイジングは、マネーや権威に執着する人達が、コントロールすることが不可能な真の意味でのコラボレーションです。内なるパワーの不足から、マネーや権威を永続的に欲するのではなく、内なるパワーと共に、それぞれが人生で愛してやまないことを語りあい、少しずつ現実化していく動的な営みとなります。

以上、LIFE(人生)から生まれるソース・プリンシプルの「はじめの一歩」について、欧州のPKSプラクティショナーの共通の大前提の内容であるLIFE(人生) I & 動的なCollective(わたし & 動的な協同)組織という幻想という3つのキーワードからお伝えしてきました。

また、ソース・プリンシプルを活用する態度(アティテュード)についても、「プリンシプル」の意味に遡ることで探究を進めてきました。

これらのソース・プリンシプルの大前提となっている必須の前提知識のもと、トム・ニクソン(2021年3月『Work with Source』(日本語版『すべては一人から始まる』(英治出版))、ステファン・メルケルバッハ(2020年9月『A little red book about source』)の両氏のそれぞれの独自の経験に基づく、ソース・プリンシプルの書籍も読んで頂ければ、ソース・プリンシプルの健全な探究実践に繋げていくことが可能となります。

読者の皆さまにとって、経営をLIFE(人生・いのち)から見る新たな実践的レンズであるソース・プリンシプルの探究実践が、本記事を土台に進んでいくことを心より願っております。ご一読、ありがとうございました。

◆ イベント動画からさらに学びたい方へ

🎥動画:「トムをお招きして、11/11(土)にJUNKANだいこんが主催したイベント」(※短時間イベントのため、精緻な通訳は無く、要点を日本語で伝えるスタイル)

◆ 関連記事から学びたい方へ

🍂参考資料① :ソース・プリンシプルまとめページ🍂
ソース・プリンシプルのことを始めて聞く方向け。ピーターやトムへのインタビューをもとに概要が整理されています。トムが2022年に「JUNKANだいこん」向けに行ってくれたワークショップの内容も視聴して頂けます。
https://nol-blog.com/sourceprinciple_matome/

🍂参考資料② :ソース・プリンシプル&マネーワークの具体編(ビズジン)🍂
ピーターが提唱する「ソース・プリンシプル&マネーワーク」の両方の繋がりが「愛してやまないこと」という軸をもとに整理されています。提唱者のピーターが語る、「愛してやまないこと」を創作するソース・プリンシプルと「愛してやまないこと」を取り戻すソース・プリンシプルとは?
https://bizzine.jp/article/detail/9173?p=2

🍂参考資料③:マネーについて(Forbes)🍂
提唱者のピーターが「お金は私たちに対して何を行うのか、そしてまた私たちはお金で何を行っているのか」について語っている記事です。マネーワークが生まれた背景と概要についても知ることが出来ます。
https://forbesjapan.com/articles/detail/64061

🍂参考資料④:ソース・プリンシプル&マネーワークの応用編(NEWSPICKS Education)🍂
「学習する組織×システム思考」の小田理一郎氏と提唱者のピーターとのお茶会対談レポート。「愛してやまないこと」で繋がり合うソース・プリンシプルと学習する組織。
https://education.newspicks.com/education-magazine/source-principle-event

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